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勇二は再び幸せな気分だった。口下手な勇二は何かを言おうと考えた。
「近藤さんは何で、この会社を選んだんですか?」 すると好美は、憂欝な表情で答えた。
「昨年までは、東京にいたんですけどね。去年に父を亡くしたんですけど、私は一人っ子なんです。だから、お母さん一人で心配だから、前の会社やめて実家に戻ったんです。職安で、近くで事務職できる所を探していたら今の会社を見つけたんです・・・」
勇二は返す言葉が見当たらなかった。少し互いに無言が続いた。そんな中、逆に勇二に好美が聞いた。
「勝山さんは何で、この会社に入ったの?」
勇二は素直に答えた。
「自分は車の運転が好きで入ったんです。好きなことしながら仕事できるなんて最高だと思ったから」
「そっかぁ。私は電車通いだったからペーパードライバーですけどね・・ドライブは好きかな。そうだ、今度何処か連れていってくださいよ。今日のお礼として!」
勇二は突然の誘いに嬉しさと戸惑いで頭が一杯になった。冷静になり、答えた。
「そうですね。じゃあ一番のスポットに連れていってあげます。ここよりも桜が綺麗な場所に。」そして、二人は携帯番号を交換した。勇二にとって好美が初めて女性のメモリだった。二人の距離が少し近づいた。
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