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二人はすでに閉まっている校門に手をかけ、ひょいっと身軽に飛び越えると、そのままとりあえず体育館まで走った。
体育館の入り口前まで行ったところで二人はあわてて建物の影に隠れた。
「おい、なんだ?
あのゴツイ野郎は?」
京介が小声で堅一に話しがけた。
体育館の入口前にジャージにTシャツ姿のMッパゲのオッサンが立っている。
「ん?見た事あんぞ。
え~っとぉ‥。
あっ!アイツあれだ!
たしか生徒指導の相河!
説明会でいたじゃねーか!」
堅一がジャージの先公(相河)を指差して言った。
「あ~、いたいた。
めんどくせーな。」
と、京介。
「ん~、どうすっか?」
堅一が腕を組みながら言った。
「どうするっつってもなぁ、しゃあねーから正直に「遅刻しましたー。」って言うしかねーべ。」
「だよなぁ。」
二人はしかたなく入口前まで行って相河と話した。
「「すんませーん。遅刻しました。」」
二人は苦笑いで少し頭を下げながら言った。
「なんだお前ら?新入生か?」
相河が聞いた。
「そうッス。一組の龍井京介ッス。」
「同じく虎原堅一ッス。」
二人は頭をかきながら名乗った。
「初日から遅刻だぁ?
まぁ、いい!とりあえず早く入れ!
式はもう始まってんぞ!
式が終わったら生徒指導室に来い!
説経くれてやる!」
「へーイ、わっかりましたー。」
二人は体育館へと入り、コソコソと自分の席まで行った。
すでに入学式は校長の挨拶まで進んでいた。
前では頭のハゲあがった校長が長々と話をしている。
「えー、新入生のみなさんは今日から我が慎徳高校の一員となったわけで、
えー、みなさんには我が校の生徒としてふさわしい‥‥」
このあたりで京介と堅一の二人は記憶が切れた。
要するに寝た。
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