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おとといの朝
広大な庭園を臨むバルコニーに、陽光が降り注ぐ。
前日、貴族主催のパーティーに出席していたウィッチマン氏は、遅めの朝食を摂っていた。
夜遅くまで、有力貴族に根回しをして、来週の議会で自らが議員となることを確実にするためだ。
今でも、議会を牛耳っているのは自分だが、部外者が議会に口出しするのを良く思わない連中もいるのだ。
さらに、一ヶ月後には娘が侯爵家に嫁ぐことになっている。
そうなれば、自分が名実共に、そのへんの貴族をしのぐ立場となるのも遠い話ではない。
目を閉じれば、おのずと浮かびあがる
全ての民衆が、自分の前に跪く瞬間が
だが、その妄想も、一つの封筒によって打ち砕かれた。
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