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「ん~…… 僕は科学者だからな~
肉体労働はダメなんだよね~」
刀と殺意を向けられたザビは笑いながら、懐から何やら丸いものを取りだし、地面に落とした。
その丸いものは次第に大きくなっていき、次々と大小のシャドウの形を成していく。
「……お前が黒幕か」
「まあね
……たけど、規模は桁違いってことで」
しかし、規模が桁違いだった。
スニキア内では多くても20体ぐらい。
だが、ここに現れたのは100体以上のシャドウ。
「……面倒だな」
ローグは首に手を当て、刀を振る。
しかし、その後ろでミリアは魔法の詠唱をしていた。
「弾けろ聖光 闇を照らし邪を浄化せん!
ルミネストライク!」
ミリアの翳した手から巨大な光の弾を撃ち出した。
その光はシャドウの大群の先頭に直撃し、弾けて蹴散らす。
「……へぇ~
軟弱な箱入り娘だと思ってたんだけど的確に弱点を突くとはね
面白いね、君……
解剖したくなってきた……」
そう言ってザビは再び指を鳴らす。
すると、影の人形が黒い煤となり1ヵ所に集まり始めた。
その煤は不気味に蠢き次第に牛頭の3m近い化け物に形を作り始める。
その発現中の化け物には4本の腕が生え、それぞれに湾曲した巨大な剣を装備されている。
「まだ実験段階の魔獣兵器の一部さ
銀龍と神子の実力ならデータを取るには申し分ない!」
ザビは高笑いをし始めた。
ローグは溜め息を吐いてミリアを見て言った。
「……下がってろ 俺が殺る」
「……巻き込んだのは私です
貴方様を危険な目にあわせません!」
ローグは忠告の為に言ったのだがミリアは逆にローグの前に立ち剣と盾を構えた。
ローグは溜め息を吐きミリアの頭を押し退ける。
「ローグだ
それからあいつらに縁があるのは俺も同じだ」
そう言ってローグも1歩踏み出しミリアの横に立った。
そして、ミリアに視線を送り小声で言った。
「……援護、頼むぞ」
「は、はい! ローグさん!」
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