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「さあ! 派手に暴れろ!
“ベヒモス”!」
ベヒモスとザビに呼ばれた化け物は雄叫びをあげローグとミリアに突進してきた。
2人は同時に左右に跳び避ける。
2人の間を抜けたベヒモスは少し先に行った後に止まりゆっくり方向転換をした。
ローグはその隙にベヒモスの懐に入り込む。
「まずは1本!」
そう叫び右腕の1本に向けて刀を閃かせた。
その刀はもう1本の右腕の剣に防がれてしまった。
ローグは舌打ちをして迫り来る左腕の剣の猛攻を大きく飛び退き避ける。
ベヒモスの剣は地面を抉りまともに斬られれば跡形もなくなるのが分かる。
「貫け聖光! レイ!」
ローグの後ろでミリアの声が響いた。
それと同時にベヒモスの頭上に魔方陣が顕れ次々とベヒモスに青白い光が降り注ぐ。
ベヒモスは光が苦手なのか呻き声をあげレイが当たる場所に手を回そうとして剣を落とした。
「隙ありだ!」
ローグはそう叫び一瞬でベヒモスの横を走り抜け白刃を閃かせた。
その剣閃はベヒモスの足を弾き飛ばしベヒモスはバランスを崩し膝を付く。
そのベヒモスにローグは飛び掛かり刀を頭上に降り下ろした。
ベヒモスは雄叫びをあげ剣を振り回しローグに攻撃する。
ローグは舌打ちをして狙いを変え剣に刀を降り下ろした。
鳴り響く高い金属音。
ローグは剣の力を利用して飛び退いた。
ベヒモスの足は何故か再生しておりローグの方へ振り向き雄叫びをあげる。
「背中ががら空きです! プレストエッジ!」
ミリアはそのベヒモスに突進して突きを放った。
その突きはベヒモスの背中に深々と突き刺さったがベヒモスはもろともしていない。
「ミリア、下がれ!」
ミリアはローグの警告をすぐさま聞き入れ剣を引き抜き飛び退いた。
その直後に振り回されるベヒモスの剣はミリアの盾を掠り宙を斬る。
ローグはミリアの方へ向いたベヒモスの背後から頭上に跳び上がり上顎に刀を突き刺した。
ベヒモスの体に強烈な刺激が走りローグを振り払おうと暴れまわる。
ベヒモスの4本の腕が頭上に回された瞬間、ローグは刀を引き抜きミリアの横へ飛び降りた。
鼻息を荒くしてローグを睨みつけるベヒモスの上顎はもうすでに回復してしまっている。
「ローグさん、光が苦手なら私に考えがあります」
ミリアはベヒモスを倒す妙案が浮かんだようでローグに耳打ちをした。
「……分かった 合わせてやる」
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