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「…そんなに慌てて、如何されましたか?」
ヒバリは、突然の来訪者と対峙する。
入ってきた男は濃紺のローブを身に纏い、手にはナイフを握りしめていた。
「どけ、お前には関係ない事だ。ザザ・アクを渡せ。」
男がヒバリに応じる。
どうやらゾフィとルパの心配が、実現してしまったようだ。
男はサキを殺す気だ。
「ならば、なおさら此処をどく訳にいかないな。」
「貴様!!!老神の教えに背く気か!?ザザ・アクは滅しなければならないのだぞ!!!!」
どうやら老神教の狂信者らしい、サキ達の存在を知り神の名の元に、サキ達を排除しようとしていた。
「生憎、私は神など信じていない。
本当に老神がいるとしても、こんな幼い少女を神罰と称して殺すような宗教ならば、奉じる必要すらない。」
ヒバリはきっぱりと言い放った。
男は顔を真っ赤にして激怒していた、こめかみにははっきりと血管まで浮き出ている。
「貴様!!老神様を愚弄しおって!!許さんぞ!!!!」
ヒバリはふんっと鼻で笑った。
「貴様ぁあぁ。誅殺してくれる!!!!!!」
頭に血の上った男は、サキ達に目もくれず、ナイフを振り上げてヒバリに飛び掛かる。
サキは思わず目をつむり、叫び声を上げた。
「嫌ぁーーー!!!!」
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