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サキはホッと一息ついた。運ばれて行く男からヒバリへと視線を移す。
「ヒバリさん…。大丈夫ですか?その…怪我とか無いですよね。」
「心配させちゃったみたいだね。ホラ、この通りピンピンしてるから心配はいらないよ。」
そう言うと、ヒバリは力こぶを作る仕種で、自分が無事だった事をアピールした。
「それに、相手が弱かったしね。少し煽っただけで飛び掛かってくるなんて、素人くらいさ。」
どうやら、先程のやり取りの一部は、男を逆上させ注意をひくための物だったらしい。
「ヒバリさんって強いんですね。…でも、どうしてあの人が来るのが分かったんですか?」
フリーがヒバリに問い掛けた。ヒバリは「まぁね。」っと笑みを浮かべた。
「あいつは、物凄い殺気を出していたから、直ぐに分かった。
強い理由は…一応コレで飯を食っているからね。…それに、必死で剣を学んだから…。」
「ヒバリさん?」
ヒバリは、どこか自嘲気味に言った。
「…まぁ、その話しはまた今度な、色々あって疲れただろう?少し休むといい。」
ヒバリは、サキとフリーの頭をくしゃくしゃと撫でて言った。
「俺は隣の部屋に待機しているから、何かあったら直ぐに呼んでくれ。」
ヒバリはそう言うと部屋から退出していった。
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