~失望~

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《誰カ気付イテ…。私ノ声ヲ聞イテ…。》 少女は、鈴を転がしたような澄んだ声で、必死に誰かに訴えていた。   少女から伝わる嘆きが、あまりにも切なく… 咲は、自分の哀しみであるかのように錯覚に陥っていった。   知らず少女の肩に、手が伸びていった。   指先が触れる。   少女はビクリと大きく肩を揺らすと、ゆっくりと顔を上げた。   その少女は…咲だった。
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