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咲は取り敢えず、トイレへと駆け込んだ、これから朝のHRが始まる。廊下をうろついていたら、いつ先生に見付かるか分からない。
走ってきたため、呼吸を整えるまでに数秒かかった。
「はぁ…」
咲は大きな溜め息をはいた、そして
「今日はサボろ…」
とつい、口に出して呟く。それと同時にチャイムが鳴った。今ごろ教室では気の弱い担任が、なかなか席につかない生徒をまとめようとアタフタしているはずだ。
「…なんでアタシが、」
誰とも無くポツリと呟く…、手に持った荷物と切り抜きが異様に重く感じられた。
「屋上に行こうかなぁ~」
咲は屋上へ行くことにした。そこは咲しか知らない、咲だけの場所だった。
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