~女王との謁見~

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遠くに見えていたクリスタル・パレスが目前に近付く。 昨日の聖堂とは比べものにならない大きさだった。     「サキ、フリー!!」   城の中庭に入ると、サキ達は女性の声に呼び止められた。 声の主は…エリだった。   「エリさん!!」   サキは思わずエリの方に駆け出す。   「どうしたの?サキ?」   目の前のエリを見て、安心から涙が溢れそうになった。 たった一晩しか経ってはいなかったが、サキにとってエリは大きな存在となっていた。   「大袈裟ね。サキもフリーも、ちゃんとルパ様に会えて良かったわ。」   「へっ?」   あの人を呼んだのはエリだったのか…。   「なんで最初に教えてくれなかったんですか?」   サキはエリに尋ねる。エリは、驚いて目を見開く。   「ゴメンなさい。二人とも余りに良く眠っていたものだから…、書き置きは見たわよね?」   「見る事は見たんですが…字が分からなくて…」   サキがそこまで言うと、エリは頭を抱えた。   「世界が違うんだから、使っている文字の違いも考慮するべきだったわね。 不覚だったわ。」   「…どおりで。」   いつの間にか、ルパが後ろに立っていた。   「この子等が警戒していたのも頷ける。エリよ、失念したな。」   「お恥ずかしい限りです。」   エリはうなだれる。   「よいよい、気にされる事は無い。 それでは全員揃ったな。謁見の間に案内する。付いてこられよ。」   ルパは踵を反すと、クリスタル・パレスの謁見の間へと向かった。
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