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その後もゾフィ達の話は続き、サキ達は現在の北の帝国の状況について理解することが出来た。
街の復興だけで無く、差別や貧困、飢饉等に対しても対策を練り、より良い国家とすること。それが皇族の使命であり、市民への罪滅ぼしなのだと、若き女帝ゾフィは力強く語った。
「陛下。そろそろ定時会議の時間となりますが…」
-如何致しましょう。とルパが問い掛ける。
ゾフィはすぐに「参りましょう。」と返事をすると、エリに向かって指示を出した。
「エリよ、旅人の世話は貴女に任せます。二人が不自由を感じる事の無い様に努めなさい。…よろしいですね?」
「はい。」
「サキ、フリー。貴女達には護衛をつけます。わたくし達に敵意は無くとも、状況が状況なので、暴挙に出る者がでてしまうかも知れません。…人選はルパに任せます。」
「はい、分かりました。」
「はっ。仰せのままに。」
サキとルパは同時に返事をする。ゾフィは満足気に頷くと、奥の部屋へと向かって歩き始めた。
「直ぐに護衛を遣すので、此処で待っていてくれ。」
「はい。」
ルパもゾフィの後を追う。
広い謁見の間には、サキとフリー、エリの三人だけとなった。
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