落ちこぼれと呼ばれ

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光りの国ムファスト。優雅に暮らす民や王族。 飛び抜けて大きい王城は、とても美しい。 特徴的なのは黄金に輝く鐘。 権力者の国王、その息子兄ロファ、まだ10歳だ。 弟ムーン、7歳。 兄は能力が低く、光を操ることは困難だった。 一方、弟は才能に溢れ、幼いながらも少しだけ光の術を使えていた。 それだからか、兄は国の人から、落ちこぼれと呼ばれていた。 もっと酷いのは、いなくてもいい存在と、言われていることだ。 次代の王は弟のムーンと、期待されていた。 母は既に他界しており、肉親は弟と国王の父のみ。 父はロファを見捨て、弟のムーンばかりを可愛がっていたのだ。 毎日酷い言われようの兄、ロファはぎゅうっと締め付けられる胸の痛みを、必死に抑えていたのだった。
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