襲撃者 ~2nd stage~

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襲撃者 ~2nd stage~

入隊式から数週間が過ぎた頃には大体の訓練生達と打ち解けていた。一部を除いては…。 「おい、お前なんで今日ここ使ってるんだよ」 朝の鍛錬の為に、いつものように専用のグランドで走っていたマーズは突然現れて話しかけてきた同室の訓練生であるヴェルドラの前で走るのを止めた。 「何でっていつもここで走っているんですが…」 「知らないよ、今日はボクがここを貸し切ったんだよ」 「だから君は違う所でやってくれ」と偉そうに言うと、ヴェルドラは施設の端末で入力し施設の画面には貸切と表示された。 本当に貸切の許可を貰ったのなら仕方がないと思い、マーズはしょうがなくグラウンドを後にした。 「今日は帰ってくるの早いな、何かあったのか?」 部屋に戻ったら、レックスにそう聞かれたので、早く終わらせただけと伝えた。 それだけ伝えると、何気なくテレビをつけた。テレビではちょうどニュース番組が始まり、それを見ながらぼけーっとし始める。 『えー、ただいま入った情報によりますと……』 テレビに突然アナウンサーが映り、今起こっているらしい事件の映像が流れた。それにより意識が引きもどされる。 「最近よくこれ関連の事件やニュースやってるよな」 いつの間にか隣にレックスが座っており、テレビでやっているニュースの事について話しかけてきた。 「この事件知ってるんですか?」 「あぁ、最近よくニュースで報道されてるよ。各次元にある重要な"指定遺失物に関係する魔導書"を何者かが強奪しているっていう事件ってな」 レックスが話した中で"指定遺失物"という言葉に対して軽く反応する。 「その指定遺失物っていうのは何なんですか?」 「さぁ? それについては俺も良く知らんな」 何となくその指定遺失物に興味が沸いたマーズは、じっとニュースを見始める。 「この指定遺失物は最近になって発見された物で、まだ解明されている点が少ない中、今回の事件が起こりました」 「現在犯人はいまだ不明ですが、目撃者の証言によると男女を合わせた複数人だったようです」 「時空管理局もいまだ犯人については詳しく分かっておらず…」 「犯人は複数人…か…」 小さく呟くと、マーズは魔導書と複数人ということから何となく幼少の頃に起きたことを思い浮かべて頭を振った。 「流石にあの時の人達というのはないか……」 「? 何か言ったか?」 「いえ、何でもないです」
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