襲撃者 ~2nd stage~

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早速といった感じで、シャルは1枚の写真を手渡す。そこには、1人の女性とまだ幼さの残る少年が写っていた。 「これは…貴方…ですよね?」 「っ…」 マーズは、その問いかけにはすぐに答えなかった。写真を見つめたまま微動だにせず、遠いどこか…今はない故郷を見つめているようだった。 「この写真は、預かってきたものなんです。」 未だ写真を見つめているマーズを尻目に、自分が何故マーズを知っていたのか語り始める。 「私がまだ小さい頃に、両親が事故で…その後に、教会の施設に預けられたんです。その時に貴方に会っているんです。」 「…」 まだどこかに意識がいっているようだったが、少しだけ写真から目を離し、彼女の言葉に耳を傾け始める。 「あ、会ったと言っても、遠くにいたのを私が見ただけでしたが……コホンッ」 「そのあとも何回か見かけた事はあったんですが…結局お話ししたことはありませんでしたね…」 段々と自信なさげになっていく彼女に、マーズは訝しげになりながらも気になっていたことを聞くことにした。 「確かに少しの間、聖王教会の施設にいたことはあるけど…何故貴女が写真を持ってるんですか?」 「それは……渡して欲しいとある人から頼まれたんです。」 「ある人…ですか。」 勿体ぶりながら言ったことで、何となくその"ある人"が分かったような気がしたマーズは、写真を大切にポケットへとしまう。 「……確かに写真は受け取りました。その"ある人"に、ありがとうと伝えておいて下さい。」 「あの…誰か聞かなくても…?」 「ええ、何となく想像がつきましたから。」 そう言いマーズが軽く苦笑する。それを見たシャルは彼も大変だったのね…と察した。 「さて、僕はそろそろ部屋に戻りますね。」 ベンチから立ち上がり、身体を伸ばしながらシャルにそう伝える。 「あ…はい」 少し残念そうにしながら頷くシャル。それを見たマーズは、また今度教会にいた頃の話をしましょうと伝えたあと別れ、ゆっくりと部屋への道を歩いていく。
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