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そう考えた瞬間、顔が一気に熱くなる。
ダメダメ、また僕の悪い癖が!
落ち着け、落ち着くんだ秋野宮ヒデオ!! 僕がそう考えちゃっただけで周りの人がそう見てるわけじゃ――――
「見てあの2人、なんかアヤシクない? てかデキてるみたいに見えない?」
「きゃーっ、本当だ! 萌え~♪」
「特にあの後ろでちょこちょこくっついてる彼! 美少年で可愛いし、前のイケメンと身長差があってますます萌えるわ!!」
「あのイケメン、さっき小さい彼が不良に絡まれてたのをサッと助けに行ってた! しかも初めて会ったんだって!」
「ヤダ、それってつまり運命の出会い?」
「不良イケメン×気弱な美少年?」
「「「キャ~、薔薇(BL)最高~!!」」」
なんでこういう時だけ見てるの!? せっかく落ち着いてきたと思ったのに…………はぁ。
地面を見ていた視線をチラリと、騒いでいた彼女達の方へ向けながらそんな思いを心の中で吐き出す。
へぇ、あれが『腐女子』って種族の人達なんだ…………結構可愛い人t「キャー、耳まで真っ赤になってカワイー!!」はぅあっ!? ばっ、バッチリ見られてる!?
「おい、ヒデオ…………ってどうした? 顔がトマトみたいに真っ赤だぞ」
「ふぇっ!? だ、ダイジョバナイ!!」
「…………本当に大丈夫か? 体調が悪いんなら保健室に連れてってやるぞ?」
「ほ、保健室ぅ!?」
「~~~~っ!? バカ、声がデケェんだよ!! クソッ、耳がキンキンする……」
驚いて反射的に大声が出てしまい、ユウジ君が顔を苦痛に歪める。でも今は(失礼だけど)それ所じゃない。
僕がまだ年が一桁の時に叔父さんが僕にこう教えてくれた。
『いいかヒデオ。都会には腐女子という種族が居る。やつらは仲の良さそうな男どもを見かけたら、すぐに頭の中でそいつらを使って卑猥な妄想をし始める変な種族だ』
今の今までは多少、叔父さんの嘘が混じってると思っていた。でも叔父さんは嘘なんかついていなかったんだ…………!
そして、叔父さんは最後大事な事を僕に忠告していた。
『そしてヒデオ、腐女子の前で言ってはいけない単語がある。場所によるが、学校では――――』
「「「保健室キタァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァ!!」」」
青い空へ薔薇のように真っ赤な液体が放たれていく。それは、腐女子さん達の魂の塊…………だと思う。
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