三題噺

テーマ『布、殺人、スキー場』《上》

僕は、吉野夕夏。過去にはよく女性と間違われてラブレターなんて物が靴箱に入ってたこともあった…しかも男から。

友達いわく、黒髪のロングヘアーでスラっとした体型にムチムチスベスベした赤子のような肌、キリッとしているようで優しい母のような微笑み、身長が145cmと超ミニな美少女に見えるのだとか…。

そんなことが、災いしてか小中高とあだ名が『姫』といまだに続いている。正直コンプレックスになるんじゃないかとか心配も今更ながらにあったりする。

母に聞くと、我が家の家系が代々舞妓の家計だったことが不幸をこうして、おばがこの名前にしたそうな…考えるだけで憂鬱になりそうだ。

そんなことを頭の端に、僕は今日も人目を集めないように早く家を出て学校に登校するため動きはじめた。