テーマ『布、殺人、スキー場』《上》

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朝、教室に入ると1つ近づいてくる足音が聞こえた。 「姫~、おはよう~」 彼女は、金沢小鳥、茶髪のショートヘアーにポニーテールの髪をした温和な顔立ちにスラリとしたボディライン。こう見えても彼女を狙っている男子は多いのだとか…ぼ、僕は狙ってないからね!! なんでって、理由は…い、いろいろあるんだよいろいろ。 「んっ、おはよ」 「おー今日も可愛いね」 「僕…男なんだけど」 「ええ!?」 「いやいやいやいや、知ってるくせに今更驚くなよ」 「ジョーダンだよ♪ あーたのし」 「なんてやつだ!! 人の純情を弄ばないでくれ」 「はいはい」 「ホントに分かってんだろな」 まったくこれだから、小鳥は好きになれない。そりゃ、僕の見てくれはそこらの女子には負けないと友達に切迫感かまされて言われたけど…。あー考えないようにしよう…ホントにコンプレックスになる。そんなことを考えているうちに、二つの影が目に入って来た。 「吉野くん、おはよ~」 「おはよう吉野嬢」 片方は身長160cmと平均的で肩にかかるくらいの琥珀色の髪を持ち出るとこは出てスラリとした体型を持ち、尚且つこの学校の生徒注目度No.3の美少女と噂の大道寺胡桃ともう一人は、黒髪のショートヘアでいつも何かと紳士ぶって僕に対して呼び方だけはお嬢様扱いし、身長は170cmと長身であるコンプレックス要員の旧友、杉宮享だ。ちなみに杉宮は生徒会ブラックリストNo.2だったりする。No.1は誰かって? …僕です。毎回毎回いつの間にか僕中心に問題が起こるんだよね。なんでだろ…。僕は、思考を一端止めて挨拶を返した。 「おー咲季、おはよー」 「私はノッケから無視か!?」 「当たり前だろ。杉宮がその呼び方を止めたら挨拶してやる」 「くっ…それは困る!!」 「なんでだよ!? 呼び方変えるだけだろうが!!」 「ディナ・インバースも言ってたろ『吉野には"嬢"をつけろ』と」 「言ってないよ!!」 「はいはい、そこまで」 介入してきたのは、もちろん小鳥だった。
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