13人が本棚に入れています
本棚に追加
「なんだ、小鳥嬢」
「実は親からスキー旅行のチケット貰ったんだよね」
「ほぅ、スキーか」
「うん、スキー。それでさ、良かったら皆で一緒に行かない?」
小鳥は、恥ずかしそうに顔を俯かせていた。スキーか、確か中1を最後に滑ってないな。初めてリフトに乗った時、降り方が分からなくてあわてふためいて結局股が逝かれそうになったんだよなぁ…。
「あ、胡桃スキー行きたーい」
「ふむ…冬の寒さの家の中、凍える体と体を寄せ合い一つの毛布に入る…よし、この杉宮も行ってやろう」
「待て…杉宮、今何考えてた?」
僕は気持ち悪さを抑え聞いてみた。
「何って吉野嬢と過ごすあつ~いよぐえばぁ!!」
殴っていた。というか僕が殴るのと同時に小鳥も踵落としを決めていた。
「いいきみだ」
「まったくよ」
僕と小鳥から酷い罵声を浴びせられる杉宮。杉宮は体をピクピクさせていた。
「…で、姫はどうすんの?」
「他に誰かいるのか?」
「う~ん、まだいない。チケットが6枚あるから後男女一人ずつかな」
最初のコメントを投稿しよう!