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「ここは、……」
「あっ、気が付いたのね。大丈夫だった? 痛いところは?怪我とかしてない?」
目の前には、奈菜さんに少し似ている女性がいた。
「あぁ、学校の教室か……」
僕が学校で気絶していたのには訳がある。
それは、奈菜さんと仲良くなってちょうど一ヵ月ぐらいたった日のこと、僕は復習するのに必要な教材を学校の机の中に忘れていることに気づき、学校に取りに戻った所だった。そして教室に忍び込み教材を取ろうとすると机の中からペンダントが落ちたのだった。
「誰のだろ?」
裏を返しすと、英語で字が彫ってあった。
「1998年10月15日18:38」
そして、中を開けてみる。
「…奈菜さん?」
そこには、奈菜さんらしき人物が写った写真があった。
がたっ!! 机に身体を打つ音がB組の教室の方から聞こえてきた。覗き込むと知っているような女性の声が聞こえてきた。
「いった~い」
「……」
「……」
向こうとこちらの目が合い、一瞬固まった。彼女は…!!
「…奈菜さん? こんなところでなに」
「いや~!! 痴漢~!!」
えっ? なんだか声も容姿も似ているのに、何か違う。
「ごめん、脅かすつもりは無かったんだ」
奈菜さんに少し似ている彼女に、僕が弁解しようと近づいた時、泣きながらこちらに猛突進され、気が付いたら今の状況になったのだ。
「で、君は誰なの? ここの生徒?」
「来年ここに入学する者です」
「それで、君はこの学校に何しに来たの?」
「それは、…この学校に幽霊が出るって噂で聞いてそれで、幽霊を探しに来たんです」
「だったら、帰った方がいい」
「嫌です」
「親御さんが心配してるからさ」
「帰りません」
「はぁ~」
意地っ張りな子だな、奈菜さんとは大違いだ。面影は似てるけど…。彼女を残して帰るわけにもいかず、とりあえず聞いてみることにした。
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