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ゆっくりカーテンを開けてみる。
久しぶりに星が見える。
外には瞬(しゅん)がチャリに乗ってこっちを見ている。
「おーい!!聖(ひじり)ー!!!」
「…うっせぇな、そんなに叫ばなくても聞こえてるっつーの。」
あわてて…いや、正確には渋々瞬のもとに行く。
面倒なんだってば。
---1時間前---
(ピリリリリリ…)
「んー、はい?」
「「聖?元気か?」」
「さっき学校でじゃあな言ったとこだろ?」
「「まあいーじゃん!今日さ、暇か?」」
「別n…」
「「星見ようぜ!?」」
「…は?」
「「歯ならちゃんと生えてるっつの!じゃあ後で迎えにいくからな!!」」
(…ッピ)
お前は俺の彼氏かよ。積極的すぎだっつの。
----おい。それじゃ俺女かよ
--------------
こんな感じでこんな感じの状態。
「聖、今日は最高の1日だな!」
「そうか?」
「そうだよ!乗れよ☆」
「…不良がチャリかよ…」
「気にするな!出発進行~♪」
…こいつのテンションにはもうついていけねえ!!
てか、よく考えたら俺…バイクあるじゃねえかっ!
なんだかんだでようやく到着。
よく星が見えるとこって、やっぱここだよな!
…海。
……おい!!俺たちいつのまにこんな関係に!?
つか、なんか面倒くさくなってきた。
今日はなんか疲れる。
なんかしんどい。
なんか、忘れてる。
「そういえば…ほら!」
いきなり紙袋を差し出してきた。
戸惑いながらもゆっくりを受け取り、紙袋の中身を取り出した。
中には瞬とお揃いのシルバーネックレスが入っていた。
「今日…聖の誕生日だからさ!」
…忘れてた。
だから瞬はわざわざ俺とここに来て、このネックレスをくれたのか…。
「……あ、ありがとな」
普段、俺はこんなこと言わねえ。瞬も少しそれに驚いたようで
「お…お前に感謝されるとは思ってなかったぜ!これからもよろしくな!」
といつもの無駄に力を入れた握手。
痛いっつの。
瞬は砂浜に横になりもう一度星を眺め始めた。
俺も瞬の隣に横になり同じく星を眺めていた。
するとそこに一筋、流れ星が通った。
瞬は願い事を考えていたがその間は1分。
「そんなんじゃ遅いっての。」
俺は瞬が考えてる内にさっと願い事を静かに唱えていた。
本当は通った瞬間に言わないといけねえんだけどな…。
隣で落胆している瞬を見ながら、俺は思わず微笑んだ。
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