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家族が亡くなった。
それを知ったのは、一本の電話からだった。
彼はその電話の内容を聴いて、呆然とする。
涙は出なかった。
彼は家族が搬送された病院に向かった。
家族の死因は交通事故。
病院のある一室に家族は眠るように、白い布を顔に被り、安らかな眠りについている。
彼はそんな家族を見ても
涙は出なかった。
理由はわからない。
ただ、呆然としていた。
後から、彼の二人の幼馴染みが駆けつける。
一人は亡くなった彼の家族を見て、彼女は大粒の涙を溢した。
もう一人は呆然としている彼に、彼は慰めるように肩に手を置いた。
泣いている彼女を見ても
慰めてくれる彼を見ても
やはり、涙は出なかった。
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