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【7月9日:神崎 七海】
……恭也が楽しそうに笑わなくなったのは、中学二年生の時だったわ。
おじさんとおばさん、そして、妹の舞花(まいか)ちゃんが交通事故で亡くなる前のあいつは今よりも笑ってた……。
あの事故の日、恭也はおばさんの家族に引き取られる事になって転校したわ。
あたし達が離ればなれになったのは、それが初めて……。
いつも恭也がいたのが当たり前だったから、いつもの日常がとても違うように感じた……
それからあたしと和馬は同じ高校に入学した。
偶然にも恭也も同じ高校に入学してたのを知った時、あたしは急いで恭也がいるクラスに駆け出した。
でも
久々に会った恭也は変わり果てたような、冷たい瞳だった……
その頃の恭也は酷く冷めていて、昔の恭也じゃない気がしたの……
今の恭也は高校の時より、明るくなったと思うけど
家族を失ってから、恭也が心から笑っているのを一度も見たことがない。
あたしはいつも思う
あいつに何かしてあげれないのかなって……。
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