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「ん……」
鳥のさえずりが響くなか、恭也はゆっくりと目を開ける。
「おにーさん、おはよー」
「あ……?」
目を開けると、仰向けで寝ていた恭也の腹部に馬乗りしている由芽がいた。
「……って、何でお前が俺の家にいんだよ……不法侵入か?」
「ちがうよー、ここ由芽のお家だよ」
「……へ?」
恭也は枕の近くにある眼鏡をつけてから、周囲を見回す。
そこは見慣れない部屋だった。
本棚と机以外は何もない殺風景な部屋。その中央で恭也は布団の上で寝ていた。
「あぁ……そうか、俺……」
まだ頭が上手く回らないなか、恭也は昨日の出来事を思い返して、状況を整理する。
「何か泊まる流れになって……この部屋を使うように言われて……」
結局泊まってしまったというわけだ。
「おにーさんおにーさん、朝ごはんできてるよ」
「朝ごはん……?」
由芽は恭也から降りると、ドアの方を指差す。
「うん、だから行こー」
「あ、あぁ……」
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