晴れときどき疑問

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部屋を出て、階段を降りるとトーストの良い香りが廊下まで広がっていた。 リビングと繋がっているダイニングには、白いニット帽を被った制服姿の優太と、詩恩が既に朝食を食べている。 「あ、霧島さん、おはようございます」 優太は恭也に気付くと、社交的に明るく挨拶をする。 詩恩もおどおどと軽く頭を下げて、すぐに目線を逸らした。 「あぁ……おはよ」 恭也は昨日と同じ椅子の位置に座り、由芽も隣に座る。 目の前にはトーストや目玉焼き、サラダなどの朝食が並べられており、恭也の分も当たり前のように置かれていた。 「あら、おはようございます、霧島さん」 「あ、どうも……」 今日も昨日と変わらないエプロン姿の千鶴。 台所からダイニングに来ると、手に持っていたコーヒーを恭也に渡した。 「お砂糖は要りますか?」 「いえ、結構です」 恭也は渡されたコーヒーを一口飲み、ほどよい苦味を味わう。 千鶴は席に着かず、また台所へと戻っていく。 「ん?」 コーヒーをテーブルに置いて、ふと、恭也は朔磨の姿がいない事に気付く。 「あれ……朔磨って人はどうしたんだ?」 「朔磨さんなら、今朝早くに出掛けましたよ」 「……そうか」 朝からあの強烈な者を見ずに済むというのは、ある意味ラッキーだった。    
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