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◇ ◇ ◇
7月10日。
いつものように繰り返される朝
当たり前の日常に恭也は不満などなかった。
堅実と安定が何より恭也にとって素晴らしかった。
騒がしい出来事は御免だ。
だから休日の午前中はいつものにように勉強をする為、図書館に向かっていた
はずだったが――
「………………」
今のこの状況を確認。
まず、目隠しをされ、手を拘束されている。
高級そうな車は恭也を乗せ、どこかに向かって走っている。
更に恭也の両サイドには、体格の良い黒いスーツの男達が座っていた。
「………………」
そして、この車を運転しているのは……
「ごめんなさい、霧島さん。もう少し我慢して下さいね」
エプロン姿ではなく、黒いスーツ姿の千鶴だった。
「………………」
言いたい事
ツッコミたい事は山ほどあるが、まず一言で言えば……
「……これ拉致だよな」
そういう事である。
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