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『山本武』―――…
気に食わねぇ奴。
大して何かがずば抜けているわけではないのに、周りからチヤホヤされて。
こんな奴のどこがいいんだ。
絶対、十代目の方が――…
カキ――ンッ
そう胸の中で
呟こうとした時だった。
切れの良い金属音。
まるで。
「アイツの声」のように。
タイミングが悪く…
嫌な予感はしたけれど。
そっと俺は
音のした方へ
意識を向けるのだった。
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