第一話 記憶

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今日は会社の新入社員歓迎会でもらった目覚まし時計がなるよりも早く目が覚めた。 なぜだろうか、昨日はそんなに疲れて家へ帰ってきたわけではないのにひどく体が重い、それに頭がくらくらしている。 熱かと思い熱をはかってみたが、平熱だった。 なんなんだろう、と思いながら連次は会社に行く支度をした。 連次は会社に行く途中いつも寄っているコンビニがある、そこでいつも買っている物を買おうとその棚の前に立つ。 しかしその目当ての商品は売り切れていた。 「チッ」と舌打ちをし、連次は時計を見た、まだ時間はある。 連次は店内の新聞に手を伸ばした、その新聞の見出しに『謎の死体、また見つかる』と記されていた。 どうやらこのあいだ、男性の首の無い死体の腹部にぽっかりと拳ほどの穴が開いていて、男性の生殖器が無くなっているという事件があったそうだ。 その死体の穴はきれいな円形に開いており、人の手で穴を開けるのは不可能だろうといわれている。  そして一番の謎は周辺には一切の血痕が無いと言うことだ。 現場は人通りも多くは無いので、人がいるとすぐにわかるようなところだったという。 そんな事件がまたあったのかと思うと連次はため息をついた。
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