一日の始まり~

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「いらっしゃいませ」僕の一日はここから始まる。パチンコ店員の元気な挨拶だ!朝は毎朝ブラックコーヒー苦手だったブラックが今では普通に飲めるようになっていった!体は大人になっているか? 服装はパチンコ屋に行く時はいつも寝巻にスリッパだ髪型もセットもなにもしない。1年前から毎日この生活。周りの視線が痛々しい時もあるが気にしない。一日の中で喋る人は誰もいない日もある。元もと無口じゃないが毎日こんな生活だとこれはこれで満足するもんだ。収入はもちろんパチンコだが僕には一緒に住んでる彼女がいる。 名前は法子。一緒に住んでるのに、一日一緒にいる時間はあって二時間一日に一回も逢わない日も珍しくない。そう法子は夜のお勤めなのだ。だが詳しくは聞かない。毎月十万程僕にくれるのだから結構な仕事をしているのかも!朝帰ってきたと思えば酒臭い。ホスト帰りか?僕はいつも寝てる振りをしてる。起きたらからまれて喧嘩になるに決まってる!へたにここから追い出されたら行き場所もなくなってしまう。そういう所は賢い自分だ!そして彼女が寝付いたら僕は顔だけ洗って、パチンコ屋にGOだ!今では同じベットでも、お互い背を向けて寝てる!変わるもんだ。男も女も!けど僕の命綱は法子だ。彼女がいなければ餓死してしまう。頼りになるのは彼女しかいないのだから!いつでてけっていわれるか分からないからせめて女の子が大切にしている記念日だけは忘れず携帯にメモってる!法子の誕生日、付き合った日、後はクリスマス。次のイベントは誕生日だがまだ二ヶ月ある。だからそれまで彼女の機嫌を損ねないように、なるべく逢わない様にしてる。特に彼女が酔っ払てる時は。 ある日、パチンコ中に法子から電話がきた。時間はまだ正午だ。珍しい。なんかあるなと思い僕は電話にでた。おそるおそる。 「どしたん?」 「今日夜ご飯食べにいこっか?」続けて僕は言った。 「なんかあったん?」そう法子からご飯の誘いなんて何ヶ月ぶりだ。一緒に住んでるにも関わらず。法子は言った。 「いいから来て」そして僕は分かったといい、約束の夜7時に待ち合わせの居酒屋に向かった。何か不安がよぎりながら!
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