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しかしピンと来た永倉はすかさず土方に尋ねた。
「も、もしかして…何かわかったのか!?」
「まぁな…。」
土方はちらりと和奏の方を見やった。
それに気付いたのか和奏は土方の気持ちを察する。
「…あ、私もう部屋戻りますね。永倉さん奢りありがとうございました!」
「お、おぉ。」
そう言って少し早足で自室へと戻っていった。
土方の深刻な顔が気になったが、自分は触れてはいけないのだと思った。
和奏が見えなくなったのを確認した土方は、早速例の話を永倉にした。
「な…っ、本当かよ!?」
「あぁ…。こうしてる間にも、何か不穏な動きがあるんじゃねぇかと思うと、気が気じゃねーよ。」
土方は一層険しい表情で溜め息混じりに話した。
その眉間には、いつもより深い皺が刻まれている。
「そりゃ大変なことになったなぁ……。」
永倉も思い悩ませていると、そこに先程屯所を出ていった山崎が帰ってきた。
しかも、何やら慌てた様子だ。
はぁはぁと息を切らして土方の元へ駆け寄る。
「どうした?山崎…、」
「新しい情報です…古高の捕縛をうけて、攘夷派の浪士達が急遽集まって話し合いをすると…!」
「何!?」
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