歌声

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風と葉の奏でる音が心地良い 今までこんな場所に来たことなんてなかったからだろう 『ぇ………て……』 「今の…なんだ…」 歌?それにしたってこんな時間に… 頭では否定してるのに身体は歌声のした方へ向かう 『るから…………』 また聞こえた 段々はっきりと聞こえるようになってきた ふと、風が強く吹いた その風は潮の匂いがした 「海が近いのか…」 海が近いということは、森を抜けるまで後少しということだろう ゆっくり歩いていた足を、なるべく早く動かした この先に何があるのか…… まるで幼い子供のように、俺は駆け出した †
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