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さっきとは違う
これは逃げる為じゃない
何か、宝物を見つけたような…
俺の中にもまだ、子供心みたいなのが残っていたのだなと思うと、少し複雑な気分だ
はぁ
はぁ
はぁ…
光が見え、潮の香りも強くなってきた
『抜け殻は抜け殻のまま…
何も感じず……
堕ちていく………
深い闇に溶けて…』
ガサッ
『――――――!』
「ぁ………」
月の光が雲の間から差し込む
その光は、そこにいる人物を照らす
「あんたが…歌ってたのか」
疑問ではなく肯定
なんでかって聞かれたら、答えられないだろう
『きみは…だれ?』
歌声の主は…
小さな小さな子供だった
†
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