北風と太陽

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  僕は今のコートがお気に入りだ もう今はこれを脱いだ 【自分】 を想像する事さえできない 体の一部といってもいい ただもしかしたら まわりから見たら 僕は裸に見えるのかもしれない 僕にしてみたら 皆が裸みたいなもんだと思う 僕のこの素晴らしいコートを 脱がして奪い取ろうとする 奴らがたくさんいる 暴漢が銃やナイフを突きつけ コートを脱げと脅してきても 詐欺師が ありとあらゆる言葉を使い 僕を騙して コートを脱がそうとしてきても 僕はこのコートを脱がない 何も恐ろしくないだろう 『ない物をどうやって脱ぐの』 笑って応えるだろう  
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