ハプニング1・少年と幽霊

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「あまり絡みたくない…」と思いながら近くまで行くと口喧嘩がはっきりと聞こえて来た。 「おい!雲!なぜお前はいつも家賃を払わん!?」と家主の声。   「爺さん…家賃はともかく…名前をちゃんと覚えてくれ。雲(くも)じゃなく雲南(うんなん)だ!やっぱ老人ボケが激しくなってんじゃないのか?」と父親の声。   「そうじゃのう。この頃ボケが激しくての……って家賃から反(そ)らそうとするでない!」   「チッ!<舌打ち>…今日は勘弁してくださいよ~。5年間の仲じゃないですか~。」   「だから!その喋り方止めぃ!気持ち悪いわ!5年間の仲だろうと3ヶ月分の家賃払ってもらうぞ!」   「どうせ明日でもいいだろ?あまり変わる物でもねぇし…明日は明日の風が吹くって良く言うじゃねぇか。」   「良くないわぁぁ!一日ずれても、こっちが困るんじゃ!」 と長い口喧嘩が続いていた…。 この二人はこの東京に父親が引っ越して来た以来、毎日のように口喧嘩をしている。 カイにとっては漫才をしてるように見えて自分自身が恥ずかしかった。
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