ハプニング1・少年と幽霊

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その時、向こう側の路地からビジネスマンみたいな格好をした40代くらいの男性が歩いて来た。 その瞬間、歩道の信号機が青で車が止まっていると言うのに男性は腕時計を見てよそ見しながらゆっくり歩いているではないか。 また次の瞬間、すぐに歩道用の信号機が点滅して赤になろうとしている事に男性は気づいて走り出した。 だが、ちょうど赤になった時に歩道を渡ってしまったのだ。 それを見て悪魔はニヤリと笑い、止まっているトラックが急に走り出した………。   『…キィィィ!ドカンッ!グシャアアァ!!』   歩道のちょうど真ん中を歩いていた男性がトラックに跳(は)ねられ、その上に下敷きに踏(ふ)まれた。 少し通り過ぎた所にトラックが止まって助手席から黒マントを着た人が降りて走り去って行った……。 またそれを見た悪魔は不気味に笑いながら逃げるようにその黒マントに着いて行った……通り過ぎる道に厄(わざわい)だけを残すかのように。
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