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「ねぇねぇ!沙那ちゃんてマヂ綺麗だね!彼氏とかいるの?」
「いないよ…。」
「また嘘ついてさぁ。そんなに美人なのにいないわけないじゃん!」
ごく普通の客とキャバ嬢の会話。ココで普通なら客の気分を盛り上げる言葉を言うものだ。
「ぢゃあ、彼氏になって」
「ついこの間彼氏にフラれちゃって…」
そう言いながら甘えたり。色んなパターンがぁる
でも、沙那は違った。
「いないって言ってんぢゃん。信じないなら初めから聞いてくんぢゃねーよ!!」
そう言って激しく飲みかけのグラスを置いた。
ユーロビートが大音量でかけられボーイのコールなどで騒がしい店内だがその声わ店中に響き渡った。みんなが注目する中客は言った。
「沙那ちゃんごめんね!気を悪くしたなら謝るょ。もう一個ドンペリ入れるからさ?ねっ?!」
「いらねーよ。てか、40過ぎたジジイが若い女相手に機嫌取りしてんぢゃねーよ!恥ずかしくないの?」
その言葉にはさすがに客もキレた。
「キサマッッ!顔がイイからって調子に乗ってんぢゃねーぞ!!」
「……。」
黙る沙那を見て逆上した客は沙那のドレスを掴みあげた。
「聞いてんのか!!人をナメるのもいい加減しろよ!!」そう言って沙那の顔を殴ろうとした時、ボーイが止めに入った。
「お客様ッッ!!申し訳ありません!!」そう言って頭を下げる。
「どーなってんだよ!この店はッッ!!」
そう言って沙那を睨みつけた。沙那は何事もなかったかの様に飲みかけのブランデーに手を伸ばそうとしている。
「聞いてんのか、このアマッッッ!!」
「………。」
「…………。」
「………。」
「こんな店二度と来ないからな!!」
何も答えない沙那を見てそう捨てゼリフを吐き捨て客は帰ってしまった。
沙那が客を怒らせるのは日常茶飯事。ボーイ達も慣れていた。
正直店長も手を焼いているが沙那をクビにはできない。売り上げを上げているのも理由の一つだが何よりも店の女の子達から慕われていたのだ。
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