開幕

2/10
258人が本棚に入れています
本棚に追加
/180ページ
ジリリリリリリリ!!   目覚ましが鳴っている   ジリリリ…カチッ   手を伸ばし目覚ましを止める   「龍矢~!起きて~!」   誰かの声が聞こえる   「起きなさ~い!」   …静かにしてくれよ   俺は眠いんだよ   「起きろって言ってんでしょうがぁっ!」   うるさいな…   叫ぶな…     ガスッ!   「よ゙っ!?」   背中に強烈な痛みが走った   「痛ってぇぇぇ!!??」   「やっと起きた~♪」   少年、氷薙 龍矢(ひなぎ りゅうや)の横で喜ぶ声がした   そこには15㎝程の大きさの少女、神姫と呼ばれるロボットがいた   「…おい、ナツメ。いつも言ってるよなぁ?起こす時は静かに起こせって」   龍矢はその犬型神姫―ナツメ―に苦笑いしながら言った   「うん、言ってる」   ナツメは喜んだ表情で答えた   「じゃあ、何でやんないんだよ!」   「だって早く起きないと待ち合わせの時間に遅れそうじゃん!」   「時間~?」   龍矢は背中を押さえながら時計を見た   9:30   待ち合わせは10:00   「……確かに」   「ほらみろ~!」   ナツメは頬を膨らませて言った   「悪かったよ」   龍矢はナツメを宥めるように頭を撫でた   「むぅ…、分かればいいのよ」 ナツメは照れるように言った   龍矢はベッドから降り、支度を始めた
/180ページ

最初のコメントを投稿しよう!