第一章 離れゆく日常

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春。 始まりの季節。 万人に共通して心機一転する季節である。 そんな季節の中、制服姿で猛ダッシュしている少年がいる。 彼の名前は屑桐空(くずきりそら)この春から高校に入学したどこにでもいる普通の少年である。 彼がなぜこんなに急いでいるかというと、今日はゴールデンウィーク明けの月曜日。 結構な数の人は、朝起きてからの三十秒は今日も休みだと錯覚してしまうだろう。 彼もまたそのうちの一人だ。 だが、たいていの人はそのあと今日が休みではないと気づくだろう。 だがしかし、彼はそうではなかった。 彼はそのまま再び夢の世界に旅立ってしまった。 彼が再び起きたのは近所の小学生の騒がしい登校の声が聞こえたからだ。 「なんだよ…うるさいな…。」 彼はその間今日は休みではないことに気がつく。 「あっ…今日からまた学校だった…。今何時だ?」 ……… 「死んだ…。」
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