第十二章 赤銅の騎士

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「早く始めちゃいましょう?紗希っ援護頼んだわよっ!!」 由真はベリトに向かって走り出す。 「わかったっ!!」 紗希は由真の後方からチャクラムをベリトに向かって投げた。 『フンッ…!』 ベリトは槍を振り上げ、紗希のチャクラムを軽々と弾き飛ばす。 「ハァァァッ!!」 由真はベリトの懐に潜り込み、腹部を思い切り殴り、ベリトの身を突き上げた。 『速いが…弱いな…。』 ベリトはひるんだ様子も見せず、右手に持っていた槍を由真に向かって突き刺した。 「やばいっ!!」 由真は地面を強く蹴り、後方に飛ぶ。 『終わりだ…!』 ベリトがそう言うと、槍の先端が勢いよく飛び出し、後方に飛んだ由真の心臓めがけて発射された。 「しまった…!!」 空中に浮かんでいる由真は足に力を溜めて回避しようとするが、 (間に合わないっ!!) 「由真ぁっ!!」 紗希のチャクラムが飛び出した槍の先端に当たり、槍の軌道を変えた。 槍は由真の肩の上へと抜けていった。 『ちっ…外したか…。』 射出された槍の先端はベリトの元に戻っていった。 「はぁ…助かったわ…ありがとう、紗希…。」 「お礼はいいからっ…。それよりも、あの武器は…神器じゃないかしら…?」
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