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「神器って…まさか…!?」
神器とは、古代の神が人間に対して与えた武器であり、時変者がもっているはずがなかったので、由真が驚くのも無理はなかった。
『ほう…こいつを知っているとはな…なかなか博識なノアもいたものだな…。』
ベリトは槍を高くかざした。
『我が槍は“魔槍ブリューナク”…。全てを貫く呪いの槍だ。』
「魔槍ブリューナク…。神話にも登場する槍が何でこんなところに…!?」
紗希は驚きを隠せないようだった。
「自分の手の内をさらすなんて、随分と余裕なのね…?」
由真はベリトのその自信に少し身構える。
『どれも貴様らが気にすることではない…。今から死ぬ貴様らに話しても意味はないからな…。』
そう言ってベリトは再び槍を構える。
「由真っ!気をつけて!!あいつの話が本当ならあの槍は何があっても急所に向かってくるわっ!!」
「どういうこと…!?」
「あの槍には魔力が込められていて、追尾機能が備わっているの…。」
紗希は真剣な面もちで言う。
「じゃあどうすればいいのよっ!?」
由真は紗希の言葉に驚きながら尋ねる。
「たぶん…受け止めても次があるから…発源で何とかするしか…。」
紗希は自信がなさそうに答える。
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