第十二章 赤銅の騎士

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「奥義…っ!!プロミネンスっ!!」 ベリトの周りに集まった炎は小さく凝縮されていき、大きな音を出して爆発する。 「まだまだぁっ!!」 さらに由真はウィンドダガーから風を放出し、その風を爆発した空間の周りに放つ。 風はその空間で渦巻いていき、小規模な竜巻へと変わった。 「紗希っ!!」 由真はそう言うとベリトから離れていった。 「わかったっ!!」 紗希は自分の周りの空間を一気に凍らせる。 ベリトの周りを渦巻いていた竜巻が一瞬にして凍った。 「やったっ…!!これなら…!」 由真は紗希の元に戻っていき、そう言った。 そして、小さな炎弾を凍りついた竜巻に向けて放り投げた。 凍った竜巻は音を立てて崩れ去る。 「ねぇ…由真…アレ…!!」 紗希は砕けた竜巻の中を指さしている。 由真はその方向に目を向けて、驚愕した。 「何よ…アレ…!」 紗希が指差した所には小さなドーム状の黒い物体があって、ベリトの姿はなかった。 『我が能力を使わねばならなかったとは…貴様らもなかなかやるではないか…。』 黒い物体が勢いよく砕けて、中から無傷のベリトが現れた。 「そんな…!!確かにプロミネンスは決まったはず…!!」 無傷で現れたベリトを見て、由真はただ驚いている。
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