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「どういうこと…?何で無傷なのよ…!」
『我々ジェネラルクラスはソルジャークラスとは格が違う。そんなちんけな技でしとめられると思っていたのか…?』
ベリトはゆっくりと近づいてくる。
「紗希…。“氷刹空間(ひょうせつくうかん)”を作るのにどれくらいかかるの…?」
由真は紗希にだけ聞こえるような声で尋ねた。
「由真っ!?だめだよっ!!氷刹空間は…」
「もうこれしか手がないのよ…!」
由真は紗希と向き合い、力強く言った。
その目には決意の炎が揺らめいている。
「ご…五分…いや…四分あれば…!」
「なら紗希は氷刹空間をお願い。それだけに集中して…。私は、時間を稼ぐっ!!」
由真はウィンドダガーを腰元に戻し、紅蓮の鉄甲に発源の炎を灯した。
「やっぱり危ないよ~!!二人で何とかすれば…!」
紗希は由真を必死に止めようとする。
しかし、由真の決意は揺るがなかった。
「こんなところで死んでられないのよっ!!」
由真はベリトに向かって走り出した。
ベリトも槍を構えて由真に向かってくる。
「もうっ!!」
紗希はチャクラムの武器化を解き、詠唱を始めた。
「負けて…らんないのよっ!!」
由真は鉄甲に灯した炎を勢いよくベリトに放った。
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