第十二章 赤銅の騎士

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「どういうこと…?何で無傷なのよ…!」 『我々ジェネラルクラスはソルジャークラスとは格が違う。そんなちんけな技でしとめられると思っていたのか…?』 ベリトはゆっくりと近づいてくる。 「紗希…。“氷刹空間(ひょうせつくうかん)”を作るのにどれくらいかかるの…?」 由真は紗希にだけ聞こえるような声で尋ねた。 「由真っ!?だめだよっ!!氷刹空間は…」 「もうこれしか手がないのよ…!」 由真は紗希と向き合い、力強く言った。 その目には決意の炎が揺らめいている。 「ご…五分…いや…四分あれば…!」 「なら紗希は氷刹空間をお願い。それだけに集中して…。私は、時間を稼ぐっ!!」 由真はウィンドダガーを腰元に戻し、紅蓮の鉄甲に発源の炎を灯した。 「やっぱり危ないよ~!!二人で何とかすれば…!」 紗希は由真を必死に止めようとする。 しかし、由真の決意は揺るがなかった。 「こんなところで死んでられないのよっ!!」 由真はベリトに向かって走り出した。 ベリトも槍を構えて由真に向かってくる。 「もうっ!!」 紗希はチャクラムの武器化を解き、詠唱を始めた。 「負けて…らんないのよっ!!」 由真は鉄甲に灯した炎を勢いよくベリトに放った。
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