第十二章 赤銅の騎士

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【―Power of life that sleeps in the earth― (大地に眠る命の力よ、)】 由真はベリトの後ろに回り込んだ。 「これならっ…どうだぁっ!!」 由真は無数の小さな炎弾をベリトに向けて放つ。 そして、由真に向かっている槍の先端はそのままベリトの後ろにいる由真に向かう。 『ほう…考えたな…。』 ベリトは槍の先端には目を向けず、由真と対峙した。 「くらえぇっ!!」 由真は特大の炎弾を作り出し、ベリトに向かって投げた。 『ちっ…!』 ベリトは槍を下げ、手をかざした。 すると、地面から壁が出てきて由真の炎弾を防いだ。 【―I want me to lend power to fight― (私に戦う力を…。)】 「なっ…壁っ!?」 由真は突然現れた壁に驚いた。 その壁は黒く焼け焦げて、炭のようになっていた。 「まさか…さっきの黒いものって…これだったの…?」 由真がそう呟いた瞬間、その黒く焼け焦げた壁から数発の石が放たれた。 「くっ…!!」 由真は自分に向かってきた石を鉄甲で弾き飛ばす。 すると、槍の先端が壁を貫き真っ直ぐ由真の心臓に向かって飛んできた。
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