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すると、由真の足下から土でできた蔓のような紐状のものが伸びてきて、由真の体を締め上げた。
「しまった…!!」
由真は身動きがとれなくなった。
『フハハハッ…無様な姿だな…ノアよ…。』
ベリトが地面の中から現れ、高らかに笑った。
「くっ…あんたのこの能力…厄介ねっ!!」
由真は声と共に土の蔓を焼き払おうと炎を出したが、
『止めておけ…。貴様程度の発源ではその拘束を解くことはできない。』
ベリトが由真に近づきながら言った。
【―It moves here now―
(今、ここに発動する…。)】
(紗希っ…!!まだなのっ!?)
由真は必死で脱しようとするが、固く固定されている土の蔓はびくともしなかった。
「これっ…!!もう土なんてレベルじゃなく強度が上がってるじゃないのっ!!」
『そうさ…密度を上げたがら当然だろう。』
ベリトが由真の前にたどり着いた。
『さて…どこから穴を開けてやろうか…やはり目からか…?』
ベリトは槍を由真の目に突きつける。
「…………。」
由真は槍の先を直視したまま視線を変えない。
『気に食わないな…その目…。』
ベリトは槍を後ろに引き、貫くための予備動作を行った。
「残念ね…もう少し早く私を片づけてたらあんたの勝ちだったのに…。」
由真は自信ありげにそう言った。
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