第十二章 赤銅の騎士

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すると、由真の足下から土でできた蔓のような紐状のものが伸びてきて、由真の体を締め上げた。 「しまった…!!」 由真は身動きがとれなくなった。 『フハハハッ…無様な姿だな…ノアよ…。』 ベリトが地面の中から現れ、高らかに笑った。 「くっ…あんたのこの能力…厄介ねっ!!」 由真は声と共に土の蔓を焼き払おうと炎を出したが、 『止めておけ…。貴様程度の発源ではその拘束を解くことはできない。』 ベリトが由真に近づきながら言った。 【―It moves here now― (今、ここに発動する…。)】 (紗希っ…!!まだなのっ!?) 由真は必死で脱しようとするが、固く固定されている土の蔓はびくともしなかった。 「これっ…!!もう土なんてレベルじゃなく強度が上がってるじゃないのっ!!」 『そうさ…密度を上げたがら当然だろう。』 ベリトが由真の前にたどり着いた。 『さて…どこから穴を開けてやろうか…やはり目からか…?』 ベリトは槍を由真の目に突きつける。 「…………。」 由真は槍の先を直視したまま視線を変えない。 『気に食わないな…その目…。』 ベリトは槍を後ろに引き、貫くための予備動作を行った。 「残念ね…もう少し早く私を片づけてたらあんたの勝ちだったのに…。」 由真は自信ありげにそう言った。
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