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「無駄だよ…。」
紗希に向かっていた槍の先端は紗希の手前で見事に凍り付き地面に落ちていった。
「ここは私の世界よ…。だから、私に勝つのは不可能なんだからっ!!」
紗希がそう言うと、空中に数百もの氷柱が現れた。
「いっけえぇぇぇぇっ!!」
紗希のかけ声と共に、数百もの氷柱は一気にベリトに向かっていく。
『くっ…!!』
ベリトは壁を作り出し、氷柱を防ごうとした。
「無駄よっ!!」
しかし、壁は一瞬にして凍り付き、砕けた。
『なにっ!?』
ベリトは驚く。
そのベリトに数百もの氷柱が降り注いだ。
ベリトの赤銅の鎧はどんどん崩れていき、鮮血が宙に舞い散った。
「紗希…とばしすぎじゃない…?」
由真は心配そうに尋ねる。
「だ…大丈夫だよ~…早くけりをつけないとね…!」
紗希はそう言って攻撃を受けているベリトを見た。
『…………………。』
氷柱の雨が止み、そこにいたベリトは沈黙していた。
「やったの……?」
由真はおそるおそる尋ねる。
「わかんない…念のためにもう一度……!!」
紗希は先ほどのように数百の氷柱を作り出した。
その瞬間、
「っ…!!」
紗希のわき腹を黒くうごめく槍が突き刺した。
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