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ドアをあけて、家の中に足を踏み入れた時だった。
「おかえり~にい!」
弟の俊也の声が中から聞こえてきた。
「おうただいま。危ないから鍵は閉めとけよな。」
「うんごめんよ。」
俊也は本当は小学5年生になる。
しかし、彼はある病に犯されていた。
体は健全で50メートルを全力で走ったり、鬼ごっこをした
りもできる。
しかし彼は病人なのだ。
その病というのは、多重人格障害というもの。
普通、その障害にかかる患者というものは、過去にひどいトラ
ウマや精神的に追い詰められた時、
体の中にその免疫を作るためにもう一つの人格を作ってしまう
もので、俊也が別の人格を作ってしまうような酷い過去を持っているかはわからない。
しかし現にこういう病気を持ってしまった。
この多重人格障害は個性だっていう人もいる。しかし、生活に
支障をきたす、他人に迷惑を掛ける、
不自由、そんなのが個性で片付くわけがない。
現に俊也は2年も小学校に通っていない。
通えないのだ。
2年前、「1人」の人格者が出て、同級生の生徒の小指を鉛筆
で突き刺し大怪我をさせ、その挙句の果てには、
授業中にドアガラスを叩き割る始末。
しかし、それは俊也本人がやったものではない。別の人格者が
勝手にやった事で、
本人は精神的に不安定になり、学校に行こうとすると嘔吐する
体の体質になってしまった。
その学校で暴れまわった乱暴的なこの人格者は本当にたちが悪
い。
その人格者は龍二という暴走族の総長だとなのった。
前にも京一に刃物をのどに向けた事があった。その時は俊也が
出てきて助かったけど、
もう少し出てくるのが遅かったら危なかったかも知れない。
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