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-故郷- 俺は辿り着いた。彼の故郷に。彼の恋人の家まで…あと少し。 (ここまでいろんな事があったな……ふっ、よくここまで走ったもんだ。あと少しで着くんだ。頑張ろう) と思い、俺は走った。   (くっ!…あと‥少しなのにな) 立ち上がる間もなく襲いくる罵声と暴力 (辛い。諦めたい。もう楽になりたい。) そう思った時、ある言葉が聞こえて来た… 「絶対届ける。約束だ。」 その言葉を聞いて、俺は立ち上がった。 (負けて…たまるか!俺はホーリーナイト!!こんな事は何回もあったじゃないか!)自らを奮い立たせ、今にも千切れそうな手足を引き摺りながらなお走った。 そして見つけた。恋人の家を… 俺は扉を引っ掻いた。何度も何度も引っ掻いた。 「お願いだ。出て来てくれ。」 それだけを願いながら、ひたすら扉を引っ掻いた。   そして俺は倒れた。   「あら?この猫、確か………」 恋人は猫を優しく抱き上げ、銜えていた手紙を読み、泣きながらこう言った。 「そう…あなたが届けてくれたのね。ありがとう。"ホーリーナイト"」 恋人はもう動かない俺の名にアルファベットを一つ加えて、立派な墓に埋めてくれた。墓にはこう書いてあった。   "HOLY KNIGHT 1858-1860"image=58484466.jpg
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