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5・問題の部屋へと
ギシッ…ギシッ…
私は自分をふるい立たせながら学校の廊下を歩いていた。
「こ、怖くない…怖くない…」
ギシッ…ギシッ…
いつもは、あまり気にも止めない廊下の床のキシむ音が…
妙に大きく聞こえる…。
(この校舎は、カナリ古い)
問題の音楽室は漫画同好会の部室からは、それほど遠くないところに有った。
「ここね…」
私は目的の木造の古びたドアの前に立つと一度、深呼吸をした。
よし!!
恐怖を振り切るようにドアノブを握りしめるとゆっくりと引いた。
ギ…ギィィー…。
ヒ!ヒッ!
や、やっぱ怖い!
ドア、半開きにしとこう…。
私は中に入った。
暗い室内…。
壁づたいに部屋の蛍光灯のスイッチを探す。
あ…。
ちょっと、待って…。
部屋を明るくしたら、巡回中の守衛さんに見つかって、こんな時間に何やってるんだって怒られるかも…。
(怖い割りに頭が働いた)
私は暗い室内で目をこらしてみた。
徐々に…窓から入る月明かりに目が慣れて…。
あれ?
音楽室にしては…
狭い室内…。
って言うか…
ピアノが…
見当たらない…。
うん??
何か水道の蛇口みたいな物が月明かりに反射して…
いや、
あれ、蛇口だわ…。
間違えた…。
ここは調理実習室…。
音楽室は隣…。
「………」
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