6・かまれた腕の傷

1/9
前へ
/140ページ
次へ

6・かまれた腕の傷

{1} 金淵は、学校の廊下を歩いていた。 「青衣… アノ、ワガママ女メ。 『私、ブランド品のバッグが欲しいわ』…『私、高級化粧品が欲しいわ』アレガ欲シイ、コレガ欲シイ…。 ソウ言エバ、 4~5年前ニ、付キ合ッタ、アノ女モ『クリスマスに毛皮が欲しい』ナンテ…。タシカ『青い毛皮』ヲ買ッテヤッタ。 味野書店ノ、一人娘…。 彼女、モウ死ンダケド……」 金淵は、額に垂れ下がった金髪を手で乱暴にかき上げた。
/140ページ

最初のコメントを投稿しよう!

1012人が本棚に入れています
本棚に追加