豪雨に憂えば

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(……すごい雨)   窓の外を眺めて、私はフッとため息をつく。   グラウンドの端が霞んで見えなくなるような雨。 6月とはいえ、この降水量は半端ではない。   (警報出て、家に帰れないかなぁ)   地震、雷、火事、親父。 恐ろしい天災も、学生にかかればなんてことはない、早く家へ帰れるか否かということに帰着する。まことに、いたわしい傾向だ。
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