豪雨に憂えば

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私は窓の外から目を離して、世界史の教科書に目線を戻した。 これぞ、学生として本来あるべき姿。   しかし、残念なことに開いているページには問題があった。   降りしきる雨には目もくれず、バルカン戦争について熱く語る先生。 そして、今何を学んでようと気にせず、ひたすらフランス革命ページだけを見ている私。   ただ、自分の世界にいるということだけは先生も私も同じ。
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